剣術の成立時期は明らかではない。奈良時代に成立した歴史書「日本書紀」に「撃刀」「多知宇知」の記載が見られる。よって、奈良時代には剣術に類するものが存在していたと思われる。
剣術は、本来の性質上、平安末から鎌倉、室町、戦国の政情不安と戦乱の中で進化発展していった。日々、命の遣り取りをする兵士にとって護身術と戦闘術の鍛錬は欠かせない技術に違いなかった。
また、ソフトウエアだけでなく、ハードウェアの発達、つまり、刀の質的量的の発達も促されていった。剣術は、武士にとって自らの命に係わる必要不可欠な修練であった。
江戸時代末期にはおよそ700以上の剣術の流派生まれたという。日本古武道協会が編集発行した「日本古武道総覧」に曰く、剣術の流れは、「神道流系」「陰流」「中条流」の三つに分けることができる。