香取神道流と鹿島新当流

神道流系は、下総の人、飯篠家直(号は長威斉、1387~1488)が創成した「天真正伝香取神道流」が母体となり生まれた。この流派には、上泉伊勢守信綱、松本備前守、竹中半兵衛、片倉小十郎の錚々たる剣豪が名を連ねる。また、派生した流派の「鹿島新当流」の始祖で剣聖として名を遺す塚原卜伝もいる。

陰流は、伊勢国の人、愛洲久忠(号は移香斎、1452~1538)が始祖といわれている。久忠が33歳の時、日向国の鵜戸神社に参籠した時、天啓を蒙り開眼したとされる。久忠の高弟、上泉信綱は、流派の奥義を極め、新陰流を創設した。その門弟には、柳生但馬守宗厳、神後伊豆守、疋田文五郎などの名人達人が次々と育った。中条流は、念流の始祖念阿弥慈恩の弟子念流十四哲の一人、中条兵庫助長秀が創設した。

更に、富田勢源の富田流、伊藤一刀斎の一刀流が分派した。その後、一刀流は、小野派一刀流、中西派一刀流、北辰一刀流、甲源一刀流に分派し、多くの優秀な剣客を世に送り出した。剣術の三大源流派で流派創設が早いのは、中条流と神道流系で室町時代初頭である。

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