日本刀は一本一本、刀工の手で時間をかけて作られており、それをより魅力的にするために、しばしば彫刻が行われます。
刀身彫刻の歴史はかなり長く、飛鳥時代には聖徳太子の七星剣に、彫刻がなされていたという形跡があります。平安時代には、刀身に立体的な彫刻が施されるようになりました。刀身彫刻は見た目の美しさだけでなく、刀身を軽量化するという実用的な目的もありました。
刀身彫刻には種類があり、その一つが倶利伽羅です。龍が巻き付いたような意匠です。これは、平安時代に流行した密教によるものだと言われています。
また、ほかにも、不動明王という彫刻もあります。
これは、不動明王が掘られており、これには悪を断ったり、煩悩を無くしたり、という意味が込められています。
さらに、金剛杵というものもあり、これは儀式で用いられる法具のことで、煩悩を無くすという意味が込められています。