日清戦争、日露戦争と戦争が続いたことで、日本での軍刀の需要が高まってきました。近代の戦争では、重火器がメインになっています。しかし弾薬がなくなった場合には、白兵戦が必須となります。軍刀が必要にもなったにも関わらず、多くの刀匠は廃業や転業などを行っていました。これは、廃刀令が出されたことが原因です。軍刀需要に応えられるほどの体制を整えることができません。そのため日本軍は、鋼板などを使った量産可能な日本刀の製造をはじめました。とにかく実用性を重視しており、三十二年式軍刀・村田刀として有名です。美的な価値はほとんど考慮されずに作られている軍刀ですので、昔からある日本刀とは作りが全く異なっています。とは言え、実戦で使うにはやはり軍刀の方が優れていたと考えられています。軍刀もまた、日本を護ってきた刀のひとつでしょう。